採用の悩み
求人を出しても、応募が来ない
求職者が確かめたいことが求人票に書かれていないと、ほかの求人と比べる段階で外されてしまいます。
執筆エンリク編集部更新日2026/10/14
なぜ起きるのか
求職者は、求人を1件ずつ読んで決めるわけではありません。気になった求人をいくつか開き、見比べながら、応募するところを絞っていきます。このとき最後に残るのは、条件が一番いい求人とは限りません。そこで働いている自分を想像できた求人です。
給与や休日の数字だけが並んだ求人票は、比べる材料が少ないぶん「よく分からないから、また後で」と後回しにされます。そして、後回しにされた求人に戻ってくる人は、あまりいません。
もう一つ見落とされがちなのが、求人サイトの外です。気になる求人を見つけた人の多くは、会社名や施設名で検索して、ホームページや口コミを確かめます。そこで採用の情報が見つからない、何年も更新されていない、という状態だと、応募の一歩手前で止まってしまいます。
まず確かめたいこと
- 数字に「決まり方」と「実態」を添える
「年間休日105日」「月給25万円〜」といった数字は、どの求人にも書いてあります。差がつくのは、その数字がどう決まるかです。休みなら、シフトがいつ決まるのか、希望休は何日まで出せるのか。給与なら、どんな経験だと幅のどこに入るのか、何で手当が増えるのか。昨年度の有給休暇の平均取得日数のように、実際の数字まで書けると、さらに信頼されます。
- 業界の求職者がよく確かめる項目を、先に書く
どの業界にも、求職者がほぼ必ず確かめる項目があります。訪問看護ならオンコールの回数と出動の頻度、建設なら雨の日の給料、工場なら夜勤の回数とシフトの決まり方。こうした項目は書きにくいぶん、書いてある求人が少なく、書くだけで目に留まります。反対に、書いていないと「何か隠しているのでは」と受け取られることもあります。
- 会社名で検索したときの行き先を用意する
求人サイトの文章には字数の制限があり、伝えきれないことが残ります。会社名で検索したときに、条件と仕事内容、職場の様子が分かる採用ページがあれば、求人サイトで興味を持った人の不安をそこで解消できます。ホームページの「採用情報」が募集要項の表だけ、という場合も、少し書き足すだけで印象が変わります。
業界ごとのポイント
- 医療・介護
- オンコールの待機回数と実際の出動回数、記録にかかる時間、ブランクがある人への教え方。看護師は、同じ給与なら「一人で抱え込まずに済むか」を見ています。
- 建設・職人
- 日給か月給か、雨の日や休工日の給料、見習いの期間と一人前になるまでの目安、道具や作業着の扱い。若い人ほど「何年で何ができるようになるか」を気にします。
- 製造・物流
- 夜勤の回数とシフトが決まる時期、繁忙期の残業、立ち仕事か座り仕事か、作業場の温度、送迎や駐車場。家族との時間をどう取れるかが、判断の分かれ目になります。
書き直しの例
訪問看護の求人票
例いまの書き方
オンコールあり。手当あり。
書き直した例
オンコールの待機は月4回ほどで、実際に出動するのは月1回程度です。待機1回ごとに手当があり、出動するときは電話で管理者に相談できます。
工務店の求人票
例いまの書き方
日給1万2千円〜。経験に応じて優遇。
書き直した例
未経験の方は日給1万2千円から始まり、一人で任せられる作業が増えるごとに見直します。雨で現場が休みの日は、作業場での加工や片付けがあり、その日も日給が出ます。
例の数字は説明のためのものです。実際の数字に置き換えてください。
いまの求人票でチェック
- 給与の数字に、決まり方(経験による幅、手当の条件)が書いてある
- 休みの数字に、決まり方(曜日、シフトが決まる時期、希望休)が書いてある
- 業界の求職者がよく確かめる項目が、少なくとも2つ書いてある
- 1日の仕事の流れが分かる
- 会社名で検索すると、採用の情報が出てくる
- 求人票や採用ページを、この半年以内に見直している
チェックが付かなかった項目から、上から順に書き足してみてください。業界別のチェックシートは、コラムのトップから受け取れます。
よくある質問
給与を上げないと、応募は増えませんか?
給与は大切です。ただ、同じくらいの給与の求人が並んだとき、決め手になるのは働き方が具体的に分かるかどうかです。給与を上げる前に書き方を見直すほうが、費用をかけずに試せます。
求人サイトの文字数が足りません。
求人サイトには要点を書き、詳しい内容は採用ページにまとめてURLを添える方法があります。求人サイトによってはURLの載せ方に決まりがあるので、事前に確かめてください。
書きにくい条件まで書く必要がありますか?
書けば応募が減ることもあります。ただ、入ってから知って辞められるより、先に知って納得した人に来てもらうほうが、結果として採用の手間は減ります。
写真がありません。
スマートフォンで撮った写真でも構いません。明るい時間に、実際に働く場所や、使っている道具・車を撮るだけでも、職場の様子は伝わります。職員を写すときは、本人の了解をとってください。
見直したあと、何を見ればいいですか?
求人サイトの閲覧数と応募数を、見直す前と比べます。閲覧数は増えたのに応募が増えない場合は、応募の手順や返事の速さなど、別のところに原因があるかもしれません。
まとめ
応募が来ないときに最初に見直したいのは、給与よりも、求職者が比べるための材料です。数字に決まり方を添え、業界の人が必ず確かめる項目を先に書き、会社名で検索したときの行き先を用意する。どれも費用をかけずに、今日から始められます。
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